インプラントの勝つ条件

血管の柔軟性や強度がなくなれば、動脈硬化などの成人病を引き起こしやすくなる。
このようなかたちで、老化現象が進んでいき、ついには重要な臓器の不全によって個体が死にいたるとも考えられる。 いったい細胞はどのようなメカニズムを使って、自分の分裂をカウントダウンしているのだろうか。
東京都老人総合研究所で老化現象などを研究している主任研究員の加治和彦氏は、「1ナロメアが身を切って勘定している」と説明する。 「テロメア」とは「染色体末端部位」などと和訳されるように、染色体を作っているDNAチェーンの端にある構造のことである。
この部分は塩基が連なったDNAではあるのだが、遺伝情報をもたないため、遺伝子ではない部分だ。 TTAGGGという配列をもつ塩基グループが、250~2千回も繰り返して現われている特殊な場所である。
細胞分裂のときにはDNAがコピーされるのだが、まるまる全部が複製されるわけではなく、このテロメア部分が少し欠け落ちた形で新細胞が生まれる。 1回のコピーで10グループずつほど落ちて、次第にDNAの鎖が短くなっていく。

そして、欠け落ちを繰り返していってある長さ以下になると、末端が遺伝情報をもっているDNA部分に接近してしまう。 すると「もう終わり」というサイン(あるいはダメージ)となって、細胞が分裂しなくなると考えられる。
分裂が止まってしまうと、細胞や遺伝子レベルでの機能低下や障害にもつながり、生物体全体の機能が終極に近づいて、いわゆる老化として現われる。 つまり、細胞のなかに″老化カウントダウン機構″が組み込まれているため、ほとんど同じ遺伝子群をもつ同種の生物は似たような寿命をもつことになるというわけだ。
老化プログラムと遺伝子ヒトをはじめ各種の動物の寿命をみると、その種ごとに平均値的な幅がほぼ決まっている。 さらに、相対的に生物進化の程度が進むほど、一般的に長寿動物になる傾向も見られる。
ということは、遺伝子のレベルで老化や寿命に関係した変化が起きている、と考えるのがもっとも自然だ。 そこで″DNAに老化プログラムが入っている″との発想から、関連する遺伝子を探す研究が盛んに行われている。
そしてさまざまな候補遺伝子と、老化に関与するメカニズムが仮説として提出されている。 たとえば、95年8月に理化学研究所の主任研究員である柴田武彦氏のグループは、「生物の老化に関係していると見られる新たな遺伝子を発見した」と発表している。


その全力疾走の先には、きっと自分に合ったインプラント=最高のインプラントがあるはずです。